ポリチリって何?
丹後は、古墳時代より続く絹織物産地であり、また1720年から283年間、ちりめん織(縮緬織)の
産地として、日々創意工夫を重ねながら歩み続けております。本来、「縮」はちぢみ、「緬」は細い糸
とか軽い糸を表す字の如く、ちりめん(縮緬)は、表面に凹凸のしぼを立てた、軽く柔らかな織物です。
ちりめん織は生糸を用いることにより、高級であると同時に高価なものとして認識されるようになって
しまいました。日本独自の伝統美を築いてきた、ちりめんのそのほとんどは高級品の着物として、
多くの女性の憧れのものでした。
服が日常となる今から30年前の昭和45年ごろより、洋服用ちりめん織の開発が始まりました。
文字通り縮む素材ですから、洋服に用いるためには克服しなければならないデメリットが数多くあり
ました。最初は、絹100%、またはレーヨン100%の風呂敷用途の92cm巾からスタートしたものの、
やはり縮みの問題に直面し、最先端の糸であるポリエステルを使用して、新たな開発が始まったという
訳です。
ポリエステルは熱によってセットができるため、縮みの問題解決が出来、これを機に丹後産地の服地
製造が具体的に始動し、ファッション分野への進展が始まりました。これがポリチリと呼ばれるように
なり、現在では、世界唯一の丹後オリジナル素材となったのです。
このポリチリは、しなやかで光沢があり、ハリとコシ、ドレープ性、といった風合いを有し、多産地の
ものとはっきり差別化できるレベルに至っていると自負しております。
何故ならば、そのノウハウは、古来
より伝承されてきた丹後独自の絹織物の技術にあるからです。その技術とは、横糸に強い撚りを掛けて
織られるもので、この強撚糸が持つ特性にあります。また、この撚糸、製織技術と平行して精練加工に
おいても、伝統の絹の精練から学んだ、丹後織物工業組合・岩滝加工場において、丹後で完成された
合繊減量加工を用い精練職人の手によって一点一点吟味し、独創的技術を駆使し、あの鬼シボの発現と、
しなやかでドレープ性豊な生地を創り上げているのです。
何故今ポリチリなのか?
グローバル化が進展した今日、日本国内で生産され消費されている合繊織物は何かというと、ポリチリ
だけといっても過言ではないでしょう。先人が残してくれた、ジャパンオリジナル素材であるポリチリを、
これからの時代に向けて、生成発展して行くために、謙虚に再認識をし、再評価もいただき、その上で
これからのポリチリづくりを目指すことを、宣言いたしたく存じます。
私達は、ポリチリを日本人の感性にマッチした素材として、また、広く世界の人々の共感が得られる
素材として、次世代に継承して行きたく努力して参ります。
ポリチリにご興味ご関心いただきましたら、是非ご連絡くださいませ。
美しくておいしい空気の丹後でお目にかかれますよう、お待ち申し上げております。
「丹後ちりめん」「ポリチリ」は、丹後織物工業組合の登録商標です。
ホームページ http://www.tanko.or.jp